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PathfinderRPGの敵データ.tex

この記事は、TRPG 供養会 Advent Calendar 2017の第8日目の記事として書かれました。


昔ショートキャンペーンのGMをやるにあたってエネミーデータを印刷するためのフォーマットをLaTeXで書いたやつが発掘されたのでそれをそのまま公開します。

pfrpg-tex.zip

タイトルにある通り.styファイルに切り出したりもせずいちいち全部.texファイルにコピーしてきてるあたり見る人が見ると即座に意志セーブ(難易度15)もしくは盲目状態になるので注意してください。

  • tex:enemy.texの先頭部分
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% 横書き二段組み
\documentclass[twocolumn]{jbook}
% OTFフォントを使えるようにする
\usepackage[deluxe]{otf}
% そのうちカラー対応しようとしてたっぽい
% ヘッダーに座布団敷いたり
\usepackage[dvipdfmx]{color}
% デフォルトの書体をゴシック・サンセリフに
% レンダリングにはIPAフォントを使っていたはず
\renewcommand{\kanjifamilydefault}{\gtdefault}
\renewcommand{\familydefault}{\sfdefault}
% ページサイズ
% …なんでptでやってんの?ぱっと見A4ページだってのが分からなくね?
\setlength{\parindent}{0pt}
\setlength{\baselineskip}{10pt}
\setlength{\oddsidemargin}{-30pt}
\setlength{\evensidemargin}{-30pt}
\setlength{\topmargin}{-30pt}
\setlength{\textwidth}{513pt}
\setlength{\textheight}{714pt}
% ヘッダータグ
% 何 header の略か忘れた
\newcommand{\HH}[2]{
{\noindent \bfseries \Large
{#1} \hfill 脅威度{#2}
}
}
\newcommand{\hh}[1]{
\rule[-2pt]{\linewidth}{0.5pt}
#1 \\
% \rule[+10pt]{\linewidth}{0.5pt}
}
\newcommand{\h}[1]{{\bfseries {#1} }}
% 能力値 ability,技能 skill,特技 feat,ダメージ種別 element,サブタイプ subtype
% 括弧がらみの表記統一のためタグにくくりだす
\newcommand{\Abl}[1]{{\bfseries 【{#1}】}}
\newcommand{\abl}[1]{{【{#1}】}}
\newcommand{\ski}[1]{{〈{#1}〉}}
\newcommand{\Fea}[1]{{\bfseries 《{#1}》}}
\newcommand{\fea}[1]{{《{#1}》}}
\newcommand{\ele}[1]{{[{#1}]}}
\newcommand{\sub}[1]{{({#1})}}
% <hr>
\newcommand{\myrule}[1]{\rule[4pt]{\linewidth}{0.5pt}\\}
  • tex:enemy.texのサンプル敵部分
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\HH{ゴブリン弩兵}{5}
ゴブリン/ウォーリア7
CE 小型サイズの人型生物\sub{ゴブリン類}
\h{イニシアチブ}+3
\h{感覚}暗視 60ft.,\ski{知覚}+6
\myrule
\h{hp}45(7d10+7)
\h{AC}18 接触 14 立ちすくみ 15\\
(+3 \abl{敏},+4 鎧,+1 サイズ)
\h{CMD}18
\h{頑健}+6 \h{反応}+5 \h{意志}+1
\myrule
\h{移動速度}20ft.
\h{接敵面}5ft. \h{間合い}5ft.
\h{白兵}\\
\begin{tabular}{lll}
バヨネット & +8/3 & 1d4\\
\end{tabular}
\h{遠隔}\\
\begin{tabular}{lll}
ヘヴィ ボウガン & +13 & 1d8(19-20)\\
\end{tabular}
\h{CMB}+8
\h{特殊攻撃}スクリーミング ボルト
\h{攻撃オプション}\fea{渾身の一打}\fea{近距離射撃}
\fea{精密射撃}\fea{高速装填}
\myrule
\begin{tabular}{lll}
\Abl{筋}10(+0) & \Abl{敏}17(+3) & \Abl{耐}12(+1)\\
\Abl{知}10(+0) & \Abl{判}9(-1) & \Abl{魅}6(-2)\\
\end{tabular}
\h{BAB}+7 \h{CMB}+6 \h{CMD}18
\h{特技}\fea{近距離射撃}\fea{精密射撃}
\fea{高速装填:ヘヴィ}\fea{渾身の一打}
\h{技能}\ski{知覚}+6
\h{装備}高品質のヘヴィ クロスボウ,ボルト*20,アダマンティン製ボルト*10
スクリーミング ボルト,バヨネット,チェイン シャツ
\h{言語}ゴブリン語
\myrule
\h{スクリーミング ボルト}+2クロスボウ ボルト.射出者の敵のうち,このボルトの通り道から20ft.以内の者はみなDC 14の意志セーヴに成功しなければならず,失敗すると怯え状態になる.これは\ele{精神作用}\ele{恐怖}効果である.
\newpage

スマホでローグライク

この記事は、Roguelike Advent Calendar 2017の第8日目の記事として書かれました。


今年の春から夏にかけて触れる電子機器がスマホしかないみたいな環境で生活してる時期があったのでスマホゲーを結構やっておりました。その中でローグライクっぽいの色々。

メンタルが弱ってた時期にプレイしてたので難易度等を正しく認識できていなかった可能性があります。

Anaias

スマホでやるにはUIがちょっと。一部屋一画面みたいな割り切り方は良い。

クラウンテイカーズ

グローバルマップと戦闘がシームレスではないので狭義のローグライクからは外れる。未課金なのでおためしシナリオしかやってないけどゲームとしては面白そう。

ローグHEX

まだまだ発展途上という感じなんだけど更新止まってる。不思議のダンジョンの素潜り的なゲーム性。

1ビットローグ

出てきた時すげー評判良かった気がするんだけど合わなかった。ボスフロアの出現周期とか覚えるのが若干苦痛で…。

Cardinal Quest 2

この中では一番おすすめ。調べたらsteamとかでも売ってた。スマホゲーはシステムが凝ってるとかより動かしやすいのが多分いちばん大事なんだなあ。

Pathos

スマホでできるNetHackとかそういう感じのマッシブなローグライク。無限復活のチートモードがあるのでむりくり下層までプレイしたけどよくわかんなかった。

CSS組版に流れ着くまでのあらすじ

この記事は、技術系同人誌 Advent Calendar 2017の第2日目の記事として書かれました。


まえがき

拙作「見えざる埋蔵金」の公開以降、某社に拾われたりバイト掛け持ちとか色々が重なってしんどくてバックレたり全くの別業種に就職したりそこを4ヶ月で辞めたりして今は職業訓練とハロワ通いをする身でして、お出しできるようなCSS組版の成果物はなんも無いのですが、その間いくつかCSS組版で本を書く個人プロジェクトを頓挫させたりしていくらか知見が溜まってきたのでアドベントカレンダーに便乗して時系列順でまとめていこうと思います。思い出話とかものすごニッチな適用例とかが主成分でポがエムってしまっているのでqiitaではなく個人ブログでやっていきます。

これ技術系同人誌ではなく同人誌系技術の話になってしまうけどこのカレンダーで良かったのか。怒られたらそのとき取り下げるか。

出会いはアットウィキ

私がHTML/CSSを使って印刷データを作る、という流れに興味を持ったのは大学・大学院時代にレポート作業で少しでも手を抜くことを考えていたことに起因してます。当時の要件としては、

  • 作業環境がブラウザベースorすぐ作れる(デスクトップ機メインだったので環境を持ち運べなかった)
  • pdfが吐ける
  • レイアウトがいじれる(スカスカのレイアウトを組んで少しでもレポート枚数を稼ぐため)

といったあたりが高優先度でした。

当時は最終的にCloud LaTeXを選んだのだけど、ツールを探す中で光るものを感じたのが、アットウィキのpdf化機能でした。

LaTeXと違って補完機能が充実してなくてもwiki記法でザクっと本文を書ける。まあ読めなくはないレベルのpdfを出してくれる。画像アップロードも組み込みの表もある。ネット環境さえあればどこでも編集可能。ネット環境があるからコンビニのコピー機にデータ送って印刷可能。

レイアウトをいじれない点がマイナスで上記の通り最終的に選ぶことはなかったのですが、軽量マークアップ言語から印刷用pdfを作るというコンセプトの存在はここで知ることとなったのです。

アットウィキのpdf化機能、今はなくなっちゃったみたい。残念!

TRPG病

私にとって「文書の印刷データを可能な限り手抜きで作りたい!」という欲求がレポート作成から来たものであるならば、「ややこしくって細かくてリッチなレイアウトを生成したい!」という欲求はTRPGから来たものでした。TRPGerのうち一定数は「自分の書いたリプレイやらデータ集やらシナリオやらの文書を公開・頒布したい」という病気に罹患しており治療方法は存在しません。そしてTRPG文書は諸般の事情によりややこしくって細かくてリッチなレイアウトを要求するものなのです。

ややこしい

Pathfinder Reference DocumentとかグランクレストRPGコアルールとかを見ていただければ明白なのですが、TRPG文書は独自のデータブロック(カタログ組版で言うところのスペック表とかに近い)を多用します。比較的オーソドックスな小説風のレイアウトが通じるはずのリプレイ文書もト書きが必須でこれが意外とままならない。

細かい

商業のTRPG書籍に特徴的なのですが、コンテンツの製作に人件費がめっちゃかかるジャンルであるためかページを切り詰め切り詰め単価を下げることに血道をあげている場合がよくあります。極端な例だと索引を取っ払ってしまったり、縦書きの本の本文がゴリゴリのツメ組みだったり。趣味でやるならそこまでシビアに切り詰める必要はないのですがデータブロックなど公式のフォーマットを踏襲した方が良い部分もあるため細かく詰めたレイアウトがしたくなります。

リッチ

TRPGはゲームなのでビジュアルも大事です。ごりっごりに背景画像を利用してフォントも凝ったのを色々ぶち込んでいきたい所です。電子媒体で頒布するならルール用語などのキーワードには自動でリンクを張って欲しいし、データ部分にはバーチャルテーブルトップなどの外部ツールと何らかの連携機能が用意できたりすると未来な感じでいいですね。欲望が際限なく広がります。

そして敗北

上記のような無茶な欲求に対して私はさまざまなアプローチを試み、そして敗北を重ねました。一応LaTeXでPathfinderRPGのモンスターデータを成型してセッションに持っていったりはしたけどもちょっとしんどかった。

モンスターデータ.texについては別のアドベントカレンダーで詳しい話をします。

何がつらいってLaTeXはなんでもできる代わりに表現がえらく冗長なのですよ。細かいデータブロックを成型したり背景画像を設定したりハシラ・ランニングヘッダを凝った見た目にしたりがいちいちややこしい。プラグインの仕組みが上手く整理されてるわけでもないしそれらを網羅的に調べる方法も乏しい。ちょうどリアルタイムプレビュー付きのTeXエディタが流行り始めてたんだけどそれでもCSS書くのに比べたら開発ツール群が弱い。出てくる単語がお前はJavaのプロジェクト内のクラスかってくらい長い。打ちづらい。補完しても合ってるのか一目でわからない。

こうして私は「ややこしくって細かくてリッチなレイアウトを生成したいけどLaTeX書くのはクソめんどくさいから絶対ヤダ!」というワガママ極まりない欲求を持つことになったのです。

Scriptogr.amよ永遠なれ

ここでちょっとレイヤーを文書作成の方に戻して軽量マークアップ言語の話をします。時系列順で言うと私がMarkdownに出会ったのはLaTeXに辟易したよりも後だからです。

私とMarkdownの最初の出会いは多分twitterにおいてだったと思います。「なんか最近この単語よく見るな」という程度ですが。当初は卒論のメモ書き用に「平文textに適用できる文書の成型ルール」として使っていたのですが、便利なツールとして認識したのはScriptogr.amを使いだしたのがきっかけです。

Scriptogr.amはDropbox内に上げた.mdファイルをいい感じに変換してブログとして表示してくれるサービスで、ちょうど静的サイトジェネレータでブログをやる時のめんどくさい所を全部やってくれるというのに似た働きをします。現に私のScriptogr.amのサービス終了後の引っ越し先はHexo + Github Pagesでした。WP立てるのに比べればずいぶんマシとは言えこれも結構めんどくさかった。

結局長くは持たなかったのですがScriptogr.amは私の性に合ったサービスでした。なんかしらMarkdownで書いてDropboxの中に放り込むだけでブログができる。スタブはDropboxの別なとこに置いとけばいいし、誤字修正なんかもDropbox内の.mdファイルを触れればどこからでもできるのでお手軽です。

「Markdownはhtmlに変換するのが簡単」「どうしても必要になったらhtmlタグを使えばいい」というのもMarkdownを理解する助けになりました。私は中坊のころからhtmlに触れていたので文書構造をそっちに対応させて考えられるのは大変都合がよかったのです。

ちなみに

Markdown→LaTeXをやらなかったのは当時LaTeX環境をCloud LaTeXに完全に頼っておりPandoc等と連携さすのがめんどくさかったからです。あと学術用途でどうせ数式にはTeX書式を使うことを考えるとMarkdownで書くことに大してうま味がなかった。

なんとなくゴールができた

時系列は前後するものの、ここまでで私は「Markdownはhtmlに変換するのが簡単」「軽量マークアップ言語からのpdf生成は便利だ」「リッチなレイアウトをLaTeXを使わずに実現したい」というパーツを得ました。そして折しもこれらをつなぐアイデアがちょうどWebで見かけられるようになってきていました。このエントリの本題、CSS組版です。

つまり「Markdownで原稿を作成し何らかのイージーな手段でhtmlに変換、その見た目はcssで作ってやり、出来上がったHTML/CSS文書を何らかの方法でpdfにして吐き出す」というワークフローが自家で実現可能になりつつあり、それはおそらく自分にとって便利なツールになるであろうと予想ができるものだったのです。

求めよ、さらば与えられん

目的がはっきりしたので私は今手元に足りないパーツを探すことにしました。

まずMarkdownパーサですが当時はオプションの豊富さから言ってPandoc一択でした。他のMarkdownパーサには「ヘッダで区切ってコンテナdivなりsectionなりで囲う」といった機能がなかったからです。

今ならmarkdown-it-header-sectionsとかPandocに追随するような形で揃ってきてるよ

次にpdf化についてですが、このコンセプトにたどり着いた当初私は「CSS組版」という言葉は知らなかったため「htmlのpdf化」といったキーワードで情報収集をし、wkhtmltopdfAdaptive Layoutといったツールを見つけ手応えを感じました。そして最終的にVivliostyleのアルファ版に辿り着いたのです。

ついでにビルドツールとして大流行してたのでgulpも触り始めました。

でけた

  • Adobe Brackets: エディタ。いい加減JmEditorを卒業した方がいい気がしたので。
  • Markdown: 軽量マークアップ言語。本文作成。
  • Pandoc: 汎用ドキュメント変換ツール。Markdown -> html。
  • gulp: ビルドツール。とりあえず.mdをwatchしてPandoc走らすとこまで。
  • Chrome DevTools: F12。主にvivilostyleの当たってない状態で使う。
  • vivliostyle.js: CSS組版ツール。当時はChrome Extension版を利用。
  • Chrome: pdf出力。背景画像も対応していてフォントも埋め込んでくれるのでえらい。

これらのツールを組み合わせることで私はMarkdownからhtmlを経由してpdfを吐かせるワークフローを構築し「見えざる埋蔵金」を公開することができたのです。

長くなったので「見えざる埋蔵金」の時にできたこの環境については別にエントリ立てて書いていきます。

How to 体調不良

この記事は、退学 Advent Calendar 2015の第9日目の記事として書かれました。

この記事には反社会的で建設性のない物言いが含まれています。

あとめっさ遅刻してごめんね。


時間の問題だったとは思うんですがこの度大学院を辞めることにしました。

その経緯をせつせつとした文体で語ろう…と思ったのですが思った以上にそれっぽくならなかったので、予定を変更してHow to 体調不良をお送りします。

退学に向けて動くときの障害「周りの説得」

フラットな状態からいきなり「辞めます」と言っても絶対に上手くいきません。なぜなら貴方に関わる全ての人が反対するからです。直接的な反対といかなくても続ける方向に話を誘導してきますし、まかり間違っても賛成はしてくれません。

私の場合、家族・心療内科と精神科合わせて3件・指導教員・助言教員・校内医・学内カウンセラーと相談をして退学を選択肢に挙げてきた人は一人もいませんでした。(休学は一人いた。その後同じ人が復学にGOサイン出した結果が退学なんだけど。)

ゆえに退学するときには自分一人で周りの人間全員を説得する必要があります。この大仕事に尻込みをして辞めるに辞められずポックリというのでは本当にしょうもないので、私の後にそのような痛ましいケースを生み出さないためにも今回の経験で培ってしまった周囲を説得するための一テクニックについて書きます。

それは「いかに自身の体調不良を周囲に訴えかけるか」です。

体調不良は目に見えない

体調不良は退学の理由として書類にも書けるくらいもっともなものなのですが、単に体調が悪いということを訴えてもそれで説得されてくれる人は思っているよりずっと少ないです。

「退学に値するほどの体調不良はレアケースであり現実にはそれよりも軽い症状のはずだ・簡単に治療できるはずだ」という風に解釈されてしまうのがまずひとつ。また普通に口頭で体調不良を訴えると単なる「寝てない自慢」の仲間と思われてしまうという問題があり、それを輪をかけて厄介にしているのがメンタル・フィジカルの別を問わず体調不良の多くは目に見えないため確認の取りようが無いという点です。

しかし逆に言えば体調不良はあらかじめ目に見える形に変換してお出ししておくことによって、より説得力のある強力な交渉のカードとすることができます。

見える化その1 診断書

病気を見える形にする方法で世に広く認められているの方法に医師の診断書があります。メンタルの方の診断書は自分から請求すればあまりにも簡単に取れるのでぶっちゃけ形骸化しかけてるように思うんですが、診断書が取れるなら取ってしまえば動かぬ証拠として使うことができます。

ちなみに要休学の診断書はすぐもらえたんですが退学の時も同様であるかは未検証です。

見える化その2 サボり

つまり会合をスッポかしたり電話やメールを無視したりすることです。

性格や相性の問題で直接合うとついまともに振る舞ってしまう場合でも、「なんとなく電話に出づらいので出ない」といった感じで決め打ちしてしまうことであからさまに社会生活に不都合が出ていることをアピールできます。

見える化その3 空き缶・空き瓶

エナジードリンクや酒を過剰に摂取している状態であることを目に見える形でアピールします。

カフェイン中毒の人は当然その目的ではエナジードリンクなぞ飲まずに錠剤でカフェインを摂ってると思うのですが、それだと痕跡が目に見えにくいのでちゃんとモンエナも買って空き缶空き瓶をデスクに並べておきましょう。

あとは昼間から缶ビール片手に散歩したりすると見た目のクズ度が高くておすすめです。

逃げたいなら逃げたらいいんすよ

私はかなり底の浅い快楽主義者で人間はどこまで行ってもどーぶつの一種でしかないという哲学の持ち主なので、いささか説得力がないんですが逃げたくなったら手段を選ばす逃げちゃえばいいと思うんですよ。

続ける・辞めるってかなり大きな枠組の問題で、それを決める際に経済的な社会的なあれそれは必ず絡んでくるはずなんですけども、んなことより自分がどう思ってるのかってのが比重大きいはずなんですよ普通。親が言うから結婚するとかお金がないから自殺するとかあり得ねえですよ。

自分の自由意志が効くうちにどうにかするためにもヤバい感じになってきたら逃げへの布石を打っておき、最低限の労力で逃げれるようにしておくというのは十分アリな選択だと思います。

おまけ

なんかミラクルが起きたので働く場所はあるみたいです。超ラッキー。でもそのおかげで周りの説得はすごく楽できたけどどっちにしろ退学はしてたんじゃないかなあ。

私の行った大学は途中でフェードアウトする率が高く、私の知る限りでも「そういやあいつ最近見ねえな」と思ったら本当に退学してたというパターンが片手の指では足りないほどです。社会人になってからネガティブな理由で退社・転職ってパターンもちらほら聞きます。

でもその後死んじゃったという話は聞きませんでした。地の縁が切れるせいで疎遠にこそなりますが、退学したということ自体に対して悪感情を持つ人も見ませんでした。

なんていうか退学はベストではないにせよ道筋の一つっていう土壌があそこにはあったような気がします。おそらく金額で言えば1000万超の大負けなんですが何も得るものが無かったわけでも無かったんだなあ。

YAVPやガイドの書き方

この記事はRoguelike Advent Calendar 2015の8日目です。


ローグライクゲームの若干偏った楽しみ方に「wikiに記事を書く」というのがあります。

特にクリア報告(海外フォーラムだとYAVP:Yet Another Victory Postと呼ばれてることが多い)や、特定ビルドに特化した割と主観混じりにならざるを得ないようなガイド記事は、データを網羅したりソースコード見ないと分からないようなとこまで突っ込んで解析する必要が無いため気軽に書ける割に承認欲求が満たされまくって脳内物質がドッバドバ出るのでゲームのコミュニティを賑わせてやった!という実感を得やすいのオススメです。

プレイログをupしたり新しい戦法を提言したりするのはSLGや対戦ゲーのwiki全般にある文化なのですが、それらと比べて個人競技の趣向が強いローグライクはプレイスキルがイマイチでも視点次第で面白いものが書ける点でゲームwiki編集への入門としても優れていると言えるのではないでしょうか。

という訳で今回は「wikiにYAVPやビルドガイドを書いてみよう」というお題でひとつまとめてみようと思います。

手順1 ゲームの目星を付ける

とりあえず私が記事を投稿したことのある日本語のローグライクwikiは以下の2つです。

他はDwarf Fortressウィキなんかも需要はありそうですね。

WaywardやCataclysm:DDAやGearHeadも日本語wikiはあるんですがスポイラーwikiとしての側面が強くてちょっと対象外となりそうです。

後は*band系もガイドは個人サイトが多いですねえ。東方勝手版とか流行ってるから誰かオープンのwiki立てたらいいんじゃないかしら。

手順2 ビルド・プレイスタイルの目星を付ける

既にガイドのあるようなビルドについて新たにページを用意するのはwikiの保守上の観点からも避けたい所です。既存記事の補足を書くという方針も無くは無いですがまっさらな所から書いた方がおおむね楽です。

上記の2wikiだとミノファイターオカワルとかオーガアルケミストみたいな低難度ド安定ビルドの解説が意外と充実してないので、ただ単に初クリアを目指すというだけでもネタになり得ます。気負わず選びましょう。

手順3 プレイする

YAVPなら1回クリアでOKなのでゲームを楽しみましょう。ビルドガイドは私の場合2-3回似たようなビルドでクリアしてから書くようにしていますが、ここは人それぞれのようです。1回クリアまでに屍を積み上げているなら十分な知見が得られてるはずですねー。

難易度に関してはチートが入らない程度に最低難易度で十分だと思います。DCSSなら3ルーンクリア、tome4ならNormal/Adventureの腕前でwikiに記事書いてますが怒られたことはないです。

普段のプレイと変わるのは、記事にすることを見据えて簡単にでもメモを取っておくこととあんまりにも再現性のない運頼みのプレイを避けることです。

手順4 下書きする

wiki記法を書き慣れていないとどうしてもここで手間取ります。

基本的には「YAVP・ガイドへのリンクページの編集」と「ページ新規作成」だけするようにすれば致命的な失敗は避けられるはずですが、自信がなければ自分で適当にフリーのレンタルwikiを一個作ってその中で色々試してみることをオススメします。

あとうっかり編集途中で消えるとげんなりするので入力はブラウザ上ではなくローカルのテキストエディタでやってコピペするようにしましょう。

記事の中身

ページタイトル
wikiメニューからページの一覧を見て他のガイドページの命名規則に従います。(接頭辞、ビルドの表記法など)
バージョン
ゲームバージョンによって内容が大きく変わるのがザラなので記事のどっかには入れておきましょう。
概要
どんなキャラメイクをするのか、どんなコンセプトなのかなどを簡単にまとめて最初に書くとよいです。
本文
全部書こうとせずに他のプレイとどのような点が異なるのか、という点を抜き出すことを心がけます。 文体はあんまりおちゃらけてなければですます調でもだである調でも構いません。
用語
略語やジャーゴンは使ってもいいですが記事中最初に出てくる所に注釈を入れるか詳しい説明にリンクを貼りましょう。 あとあんまり表記ゆれがあると不親切なので記事内では用語を統一するよう気をつけましょう。
コメント
wikiには大体コメント機能を追加するためのプラグインがあるので適当に調べて記事の最下部に貼っつけます。

手順5 記事をwikiに投稿する

手順4で書いた記事をwikiに投稿し、適宜リンクページに項目を追加します。

一通り読みなおして思った通りの表示でなかったり誤字のある所を修正して完成です。


多分一番のハードルはwikiを編集するって所だと思うんですが、wiki自体便利なツールではあるのでこういう遊びの場で触り方を知っておくのはそれなりのプラスのはずです。

そんなわけでレッツYAVP!

次の@dplusplus氏の「LLD(石鍋試験鯖)の内側」も既に投稿されてますね。

殺しやすい敵の話

この記事は、TRPG:GMになろう Advent Calendar 2015の第8日目の記事として書かれました。


はい、またインパクト重視でタイトル付けてますが要するにGMとしてはちゃちゃっと殺しちゃって欲しいのにプレイヤーが情に目覚めちゃう問題の話です。

TRPG界隈だと「善良なゴブリン問題」とかって呼ばれてるアレに近い話ですね。GMとしては殺しちゃって欲しいと心が決まっている点で少し違いますが。

そもそも殺せない敵の何が問題なの

「セッションが停滞するから」です。

パーティ内の意見が殺す・殺さないで割れると倫理問題の議論に発展するため、まず結論は出ません。たとえ殺さない方向に意見が統一されてもGMがそのようなパターンを想定していないとまたこれが議論を呼びがちです。(「街の衛兵に突き出したら?」「間違いなくその場で処刑だろー」「前出てきた隠れ里でかくまって貰えば…」「交渉材料がないよなあ」)

もちろんその状態をセッションの参加者全員が楽しめているのならいいのですが、シナリオをちゃんと用意していったのなら道筋はどうあれ終着点にたどり着かせたいのがGM心情でしょう。そのためにもプレイヤーたちにはすっぱり殺ってしまってもらいたい。とゆーようなシチュエーションの話をしていきます。

なんで殺せない敵が出てきちゃうの

「殺さないルートの存在が否定できないから」です。

人間だれしもゲームにハッピーエンド・トゥルーエンドへの分岐があればそちらを選びたくなってしまいます。ここで言うなら「モンスターとも和解して誰も死なないルート」の存在を誰も否定してないゆえに、あり得ないとは思いつつもそのセンを能動的に消す決定もできないためモンスター生存ルートを探ってしまう、というのが殺せない敵発生のよくあるパターンに思います。

(ハッピーエンドへの圧力というのは結構強力で、例えば対立型のシノビガミシナリオで隠しとして協力型ルートを用意すると体感ではかなりの割合がそっち行っちゃう。)

じゃあ「殺しやすい敵」ってどんなのがいるの

逆に言えばGMの方から「こいつは絶対殺さなきゃだよ」と教えていけば殺せない敵問題のかなりの部分は解決するはずです。

敵のストーリー上の設定で2つほどよく使われるパターンがあるので見ていきましょう。

その1 存在悪パターン

ダブルクロスにおけるジャームやアルシャードシリーズの奈落の勢力、各種ファンタジー世界の悪魔など、その出自や性質が変えがたく敵対的でもうどうしようもないというパターンです。

この方法は最初に世界設定に組み込んであればあとはそれに合わせるだけで殺しやすい敵を量産することができるのでお手軽なのですが、サプリメントや関連書籍で例外や新規の設定が増えるにつれてその絶対性が崩れることがままあります。

特に顕著なのがモンスター種族をプレイヤーキャラクターとして使えるようになる場合で、SW2.0の蛮族やD&Dシリーズのオークやドラウはこれに該当するでしょう。この辺りの奴らを使うときはプレイヤーキャラクターから説得が飛んでくる可能性があり要注意です。

その2 狂信者パターン

宗教に限らず個人崇拝や深い怨恨などとにかく大前提からして思想が違いすぎててあらゆる心変わりが期待できないような敵というパターンです。

これは存在悪パターンに比べてある程度踏み込んだ設定を用意してやる必要がありますがほぼどんな時にも使えるのが利点です。

ちなみにこれは単に邪教を信仰していればいいかと言うとそうでもないので気をつける必要があります。例えばパスファインダーRPGだと悪神で地獄の支配者たる高位悪魔アスモデウスを信仰しているキャラクターがコンベンション向きのレギュレーションとして公式から提示されているソサエティプレイに持ってけたりしますしー。

番外:殺せない敵ができちゃったら

とりあえず手段を問わず逃げて一度シナリオから退場させてしまうのが簡単かつ確実な対処法です。GM権限を振りかざして森に逃げたり隠し持ってたテレポートトークンを使ったり精神だけ電脳世界にダイブさせたりしましょう。

まとめ

  • 「殺せない敵」のせいでセッションが止まっちゃうのはもったないよ
  • 殺す以外の選択肢を設定で奪ってしまえば「殺せない敵」は存在しなくなるよ
  • 最悪その敵を無理矢理シーンから退場させれば脱線からは戻れるよ

次は一日空いて@mori_trpg氏の「Will Be Game Master*Phase 2:シナリオの種」ですね。

パクりの伝道師であるらいあのは大体その時読んでたマンガがダイレクトに効いてくることが多いですが、はてさて。

GM?パクっちゃえばいいじゃん!その2

この記事は、TRPG:GMになろう Advent Calendar 2015の第2日目の記事として書かれました。


前回の続きですぎょん。うひー遅刻遅刻。

実際にTRPGのシナリオ制作においてパクりというテクニックをどのように使えばいいのかという話をしていきます。

全部パクるな パーツに分けろ

私の考えるパクりの最大のコツはこの一言に集約されます。元ネタを完全にTRPGのシステム上で再現しようとするのではなく、あなたが最も必要としている要素は何なのか考えてそこだけ頂いてくるべきです。

これは何も盗作のそしりを避けるための方便ではありません。TRPGのシナリオとそれ以外の創作物には決定的な違いがあり、そのまま持ってくると齟齬を起こす危険性が高いからです。

その違いは特にストーリーやシナリオの難易度に現れます。TRPGではキャラクターがクリアに向かってどう行動するのかは映画のようには決まっていません。デオゲームに比べればシナリオの再挑戦にかかるコストは異常に高いです。対戦型のボードゲームと違って通常のプレイでは”敗者”は存在しません。

(私はシノビガミのPvPで忍務が達成できなくてもセッションを楽しんだならそれは勝ちだと思います。悪役慣れしすぎ?)

すなわちTRPGのシナリオは他と違い「万人が」「初見で」「クリアできる」べきであるという地味に重い枷を課されているのです。

この制約下でシナリオを組むにあたって私が気をつけているのはシナリオに遊びを設けるということです。遊び心を持ってジョークを入れるという意味じゃないですよ。シナリオの各所各所に余裕を持たせるということです。敵の強さ、イベントの分岐、NPCの設定etc.についてストイックになり過ぎない。プレイヤーに選択の余地を与えると言い換えてもいいかも知れません。この「遊び」は丸パクりのシナリオでは生み出せません。

あと、第1回でそもそも自作シナリオの方が手になじんでセッションに使いやすいから自作すべきって話を枕にしてるのに丸パクりじゃその利点の恩恵に与れない訳ですしねー。

こんなパーツをパクろう

ではここからは実際に映画や小説、マンガ、ゲーム等からどんなパーツがパクれるのか見ていきます。

キャラクター

パクるためのパーツとして比較的捉えやすい要素です。外見、戦闘スタイル、口調、名前など更に細かいパーツに分けて再構成することもできます。

特に悪役の口調は引出しが多いと特に設定を考えていなかったモブゴブリンなどにとっさにセリフをしゃべらせやすくなります。

世界

世界観を丸ごと持ってくるのはパラレルワールドを行き来する設定のシステムでもなければ難しいですが、比較的近い設定の作品から取ってくるのであれば「そういう街」「そういう法律」「そういうマジックアイテムが発明された」の一言で説明が付く場合も多いです。

あと特に小説に言えることなのですが、使えそうな情景描写はストックしておくと良いでしょう。見た目の違いに訴えかける描写はシナリオの雰囲気を知ってもらういいチャンスになります。シナリオのファンタジーっぽさ、SFっぽさはここにかかっていると言っても過言ではありません。

ストーリー

これもさらに細かいパーツに分けて考えることでパクりやすくなります。

例えばNPCの行動の動機、カッコいい演出、どんでん返しのトリック、プレイヤーキャラクターの導入イベント、条件戦のネタ(「火薬庫での戦闘だから火気は使えない!」とか)などなどです。

条件戦の変わり種としてシナリオの構造に関わるようなギミックもあります。「悪徳大臣を倒したいけど著名人だから襲ったらただの犯罪になっちゃう。まずは告発できるような証拠を押さえなければ!」とかね。

またキャラクターもそうなのですがストーリーは「見た目だけ変える」というパクりテクニックが有効に働くポイントでもあります。四十七士を代わりに「正義漢のCEOが政治対立に負けたせいで法整備で解散させられたPMCの残党」とかなんとか言っておけばサイバーパンク版忠臣蔵の出来上がりなわけですよ。

ことストーリーやそのプロットに関しては意外とジャンルの垣根を越えてパクれてしまうので、「この要素をファンタジー世界に置き換えるとしたら何だろうか」っていう妄想をしたりしておきましょう。

システム

多くのTRPGシステムには単純な判定を組み合わせてより複雑なシチュエーションをシナリオに組み込む指針が示されています。例えばターゲットレンジシステムやフォーカスシステムがあり、ログ・ホライズンTRPGでもミッションがその立場を占めています。

しかしこれで物足りない場合はより状況に合ったシチュエーションルールを自作する、という選択肢もあります。そんな時にTVゲームやボードゲームからシステムをパクってくることでよりお手軽によりゲームゲームしたシチュエーションルールを用意できることがあります。

具体的なジャンルで言うと最近のアドベンチャーゲームは「単に選択肢を選んで文章を読むことの繰り返し」からの脱却を図っているためシティアドベンチャーシナリオに変化を付ける時の参考になることが多いです。

パクり力の向上のために

パクりにはシナリオ作成を簡単にする力がありますが、他のシナリオ作成のテクニックと同様にパクりにも上手い下手というものが存在します。すなわち「今シナリオ作成に必要なパーツをどれだけ的確・適切にパクってこれるか」というのが問題になってくるのです。

パーツ選びに関しては筆者の私も勘とその場の巡り合わせでやっている所が多く文章としてアドバイスにするのが難しいのですが、その大元、パーツのストックを増やす方法は簡単です。単に好きなマンガや映画や小説やゲームをパクり手の視点で見れば良いのです。

自分が面白い!カッコいい!と思った時にその面白さ・カッコよさはその作品のどんなパーツから来ているのか分析し、自分が将来書くTRPGのシナリオにもしかしたら使えるかもしれないと心のダンボール箱に入れておくというのを繰り返しましょう。

まとめ

  • TRPGのシナリオはどーせ低リスクだからパクって書いてもええんよ
  • パクって書くのはお手軽だし結果として地力もつくからオススメだよ
  • まるごとでパクるとTRPG独特の制限のせいで故障しやすいから細かくパーツに分けてパクろうね
  • ちょっと頭使ってマンガ読んだり映画見たりするとパクりネタのストックを増やせるよ

GM?パクっちゃえばいいじゃん!その1

この記事は、TRPG:GMになろう Advent Calendar 2015の第1日目の記事として書かれました。


まえがき

いきなりですが私ライアーノーズは「たとえ初めてのゲームマスターであったとしてもシナリオは自作した方がいい」派です。なぜなら出来合いシナリオを使うのに比べて、必ずシナリオの細部まで理解が及んだ状態でセッションを始めることができるという利点があるからです。

これにより

  • シナリオ中に出てくるギミックやエネミーデータについてルールブックのどこを参照すればいいか分からない。
  • 書いてあるNPCのセリフが意外とこっ恥ずかしくてロールプレイできない。
  • あるシーンがシナリオ中に現れる流れを理解してないのでイレギュラーな展開について行けない。

といったシナリオを熟読していないことによる落とし穴をかなりの部分避けることができます。

しかしながら、見ず知らずのシステムでシナリオを自作するというのが高いハードルであることも事実です。「TRPGのシナリオを作る」ということに全般に関しては氷川TRPG研究室さんとこの読み物というめっさ役に立つ先行文献があるのでまずはそっちを読んでもらうとして、私はもうちょっと卑近な切り口で話をしてみようと思います。

まず今回はこの記事のタイトルにある通り「TRPGのシナリオは既存の何かを真似して作っても良い」という話題です。もちろん法に抵触するようなガチの盗作はいかんのですが、今回は記事タイトルのインパクトを重視して上記のような「既存の何かを真似する」行為のことを「パクる」と表現します。

まずは心構えの話

まずどうやってパクるかとかそういう話の前に、パクることに対して罪悪感を覚える必要はないという話をしますね。

理由1 みんな多かれ少なかれパクってるから

主語が大きな話になりますが、ありとあらゆる創作活動は創作者がそれまで見聞きしたものの組み合わせでしかあり得ません。それはTRPGのシナリオでも一緒です。実際に経験したことが元になってたり、元の要素を細かなパーツに分けて組み合わせたり、ほぼ無意識に持ってきてたりすることで元ネタを追うのは極めて難しくなりますが、基本はそれまでに見聞きした何かを組み合わせているだけです。

もうちょっと具体的な話をすると、例えばTRPGシステムの世界観なんかは露骨なパクりが横行している部分です。『サタスペ』、『永い後日談のネクロニカ』などは商業作品ですがイメージソースとなっているマンガや映画の名前が直接ルールブックに挙げられています。あとはNPCの名前を実在のアーティスト等から持ってくるなんてのもよくある話ですね。

理由2 パクってもバレないから

パクりに対するネガティブなイメージというとイラストレーターやデザイナーのトレス騒ぎがあると思うのですが、ことTRPGのシナリオでそんなことはまず起こりません。TRPGのシナリオを広く公開することがそもそもあまりありませんし

(もちろんやっていいんですが。というかもっと増えて欲しいんですが。)

TRPGのシナリオでないものをパクってTRPGのシナリオを書いたなら出来上がったものは元とはかけ離れた表現を取っている新たな創作物です。

もっと言えばTRPGのシナリオをパクってTRPGのシナリオを書くのも実は日常茶飯事です。ルールブックのサンプルシナリオはパクるために載っている言っても過言ではありません。

むしろオマージュの意味でパクってきてるのにプレイヤーが誰もそこに気付いてくれなくて若干寂しい思いをする、という状況の方がよく見かけます。

パクるとここがおトク

ここまでパクることのデメリットってそんな大きくないよという話をしたので、パクることのメリットの話もします。

コストが低い

一般に自分の実体験や原典情報からシナリオを組み立てるよりも何かを真似ることの方が圧倒的にラクです。

例えば海洋冒険キャンペーンをやろうとして主人公たちが乗り込む船について考えなければならなくなった時に、実際に船を見に行って様子をスケッチするよりも図書館で図がたくさん載ってる船の本を借りてくる方がラクですし、本を借りてくるよりたまたま手元にワンピースの単行本が揃ってて「ゴーイングメリー号と同じ間取り・あと適宜調整」の方がラクならそうしちゃえばいいのです。

GMがプレイヤーと比べてコストのかかる役割であることは事実なので、ラクができそうだと思うポイントに関してはラクをしてしまうのがあまりの労力で心が折れないようにするコツなのです。

自作の時の勉強になる

「まなぶとはまねぶ」とはよく言ったもので色んなものをパクっていくうちにシナリオ作成の地力が付いてきます。

人間が自分一人で思いつけるものの量はたかが知れているので、より積極的に先人の知恵を拝借するためにもパクりは有効です。

特に「TRPGのシナリオを作る」という分野はイラストなどの他の分野と比べて丁寧な入門書に乏しいので、師匠の技を見て盗むとかそういうアナクロな感じのことをいまだにやらないといけないというちょっと悲しい現実があるわけですよ。

また、積極的にパクるようになると常に「これはパクれるかもしれない」という目線を持つことになるのでマンガを読んだり映画を見たりしてる間も作品を分析し続け、より無理なく四六時中GMぢからを鍛えっぱなしにできます。


とりあえず今回はここまで。えらい後ろ向きな内容になってしまったので続きに書くことの予定を並べときます。

  • パーツにバラしてパクれ
  • いろいろなパーツ
  • 見た目だけ変えてパクれ
  • パクり力向上にはとにかくインプットを増やすのが一番

Ghoul Brawler 1

最近思い出したようにTales of Maj’Eyal 4を回しておりました。

Normal Adventureゲームだけどdreadfall超えたやつに関してはこっちも死亡記事を書こうと思います。

DUMP


コンセプト

ghoulと言えば徒手格闘だ!(DCSSのやりすぎ)

一応ノロいというghoulの弱点をunarmed masteryがある程度打ち消してくれるのと、回復系talentを自前で用意できるのがシナジーと言えるかも。

序盤

ghoul(ghoulツリーの1つ目の)で能力値をバカスカ上げる。ポイントはDex極振り。Cunにも振るのが常道だと思うんだけどCunツリーに回すtalentポイントも無いのであまりはStrに回してみる。

Lv10でgrapplingツリー開放。take downを最速で上げる。2手かかるとは言え白兵職らしからぬ範囲攻撃がつおい。

追ってretchも最速上げ。これで生きてる敵相手には相当有利に立ち回れる。場合によっては死ぬよりはマシなので対アンデッドでも使う。

dreadfallまで

  • 敵が単体→つかんでボコる
  • 敵がたくさん→take downぶっぱ

でサクサク進む。

巨大敵対策にbeltを売ってる店を回ってsize+1装備を探す。今回は更にBehemoth Hideも拾ったので装備パズルの自由度が若干高めだった。

篭手はbreath発動が付いてるのがいいと思う。あとdaze付与のcloakもあるとつおい。

中盤

Lv30のprodigyは順当に火力を伸ばすべくflexible combatで。

エスコートがseerばっかだったこともありこの辺りからgenericポイントの使い道に困り始めたのでCunを伸ばしてunarmed trainingも振り出す。

take downで雑魚が一確しなくなってきたことを逆手に取りgnawも使いはじめる。基本的に弱めのシールドみたいなものだけど、一度すごいアウトブレイクをおこして5匹くらいghoulが出てたので要研究。

ゲーム開始直後からちゃかこぽ死んでた所で術師に囲まれて残機切れ。

tactical chronicle 討伐の手引き その5

ようやく表クリアしたざんす。

vivliostyleでTRPGシナリオ書く作業もそろそろお披露目できる形にせねばなるまいと思うのでこのゲームはしばらく寝かせます。

魔王

村レベル41でクリア。

  • 守護
  • 学者
  • 白魔道士
  • 海賊

「思ったよりあっさり倒せた」という感想が多かったのでろくに対策を練らずに殴りかかってみた。(魔法攻撃が多いので守護に彩無、デバフが酷いので白魔にリボンくらいか)

MP破壊がかなり強く、聖女装備でMP無尽蔵の侍が健闘するもボスのHPを3万ほど残して死んでしまったので今回は駄目かと思っていたところ、白魔がしぶとく生き残って剣の魔術書強撃をぺちぺち当ててなんとか削りきった。

短評

なんか一人でやってるのにMMOっぽいゲームだった。

ゲームの基本戦略がタンク・ヒーラー・アタッカーの使い分けなとことか

滅多なことがなければタンクで相手の攻撃を受けきって相性のいいアタッカーを配置して適当に回復役据えておけば大抵の難関には対処できる感じだった。

しかも解法はかなりユルくて(タンクは挑発持ちしかなれないのでちょっと専業度高いけど)、大体の役割は消費アイテムとかでそれなりに補っていける。ボスにデバフが入るうえ、ほぼ全職がデバフ技持ってるのもあると思うけど。

デバフと言えば巫女がデバフの専門職って扱いだったけど手札が多いだけで個性になるほどではなかったなあ。うちの村の対ボスデバッファーは基本的に海賊で、巫女は闇攻撃持ちって所の方がまだ目立ってましたよ。

ひたすらモブ狩りしてアイテム作るとことか

狙ってアイテム稼ぎしたのは薔薇の花くらいだったんだけど(しかもあんまし使わなかった)、上記の通り魔王撃破くらいまではスルリといけたのも好印象。

宝箱ちゃんと取ってれば最低限のパーツは揃っていくみたい。伝説装備がオンリーワンな強さしてるのがいいのかな。

敵を掻い潜って次の村までダッシュする戦略があり得るとことか

馬で走って無理矢理次の村を開けるの楽しかった。村に到着するだけで制御命令なんかがごほうびとして手に入るのでシーケンスブレイク欲を掻き立てられる。ワープポイント登録のシステムもなんかMMOっぽい。

称号システムとか

これ狙うだけでも村レベルや勲章はサクサク上がってたのでレベル上げの作業感はほぼ感じなかった。上と被るけどマップ探索の動機付けとしても強い。